2015年9月17日木曜日

高校の同期会



5日に函館ラサール高校の同期会があった。
僕らが青春時代を過ごした昭和59年はとても平和な時代であったことは確かである。
寮生活ゆえ、外界とはものすごく厚い殻で隔絶されており、一般の高校生がどんな生活を送っているのか知るよしもなかった。受験を宿命とされたコミュニティで、貴重な青春期を集団で過ごした。高田みづえの「そのなヒロシに騙されて」を聞きながら、数学の積分を解き、寮のテレビ室では小泉今日子がセクシーな衣装で「真っ赤な女の子」踊っていた。
18歳の少年が30年後の自分を想像することなど到底できなかった。
みんな将来どんな人間になっているのであろう?
漠然とした疑問はだれしもが抱いていたであろう。
それぞれの函ラ生(不幸にして命を落とされかたはいますが)にそれぞれの30年後の世界は用意されていた。
僕らは卒業と同時にばらばらな方向に散っていった。蜘蛛の子を散らすように。木の根がランダムな方向に伸びていくように。いろいろな仕事につき、いろいろな困難を乗り越えながら今日を迎え、この場に収束することができた。
遠い昔に無くしてしまったものがひょっこり出てきたような。無くしたことさえ気づいていないものが突然目の前に現れたような。そんな嬉しい再会だった。
いったん消え失せた「絆」がまた復活したような、そんな貴重な時間でもあった。